きょうのナナバン

140字以上のあれやこれ。

雑文

告白されたひとつの性癖

せっかく日本語を母語にしてずっと日本で暮らしてきたのだから、日本語で書かれた日本の現代小説を積極的に読もうと思うことがたびたびあるのだけれど、なぜか手に取るのは翻訳された外国の小説ばかりで、このまえコツコツと本棚を整理していたら三分の二が…

勝敗の行方

きょうはちょっといいお弁当をもらった。夕飯代が浮いたばかりか、献立を考える労力も作る時間も省けた。しかもリッチな食事になった。ありがてえ、ありがてえ。これもひとえに、私の人徳である。 さて。ここで堅実な僕は思案する。人類にとっては小さな金額…

ご趣味は?

趣味は何ですかという質問にどう答えるべきか考えていた。いつ訊かれるねん、という疑問はいったん挟まないことにして。男女の出会いは趣味の話から始まることもあるかもしれないし。 三省堂のデイリーコンサイス国語辞典(アプリ版)によると、趣味とは「楽…

過ぎた夏(2)

彼の言う「短いスパン」とは、いったいどこの時計を、あるいはカレンダーを基準にしているのだろう。それは僕らの知らない宇宙の、隅のほうでひっそりと暮らす、森の惑星の住人たちがもつ時間に準拠するのだろうか。彼らの星はやたら日が沈まないか、やたら…

過ぎた夏(1)

この夏はけっこう遊んだ。 それまでの数年間に亘って猛威を振るっていたものが沈静したから、とはひとつも思ってはいないのだけど、前提を見直したうえで日常生活を構築し直すタイミングなのだろうという気がして、遊んだ。(なんだかこの話題は“個人のスタ…

Long time no see!

ダイエットのシーズン1が終わった。 朝と夜のだいたい同じ時間(食事前という同じタイミングと言ったほうが正確かもしれない)に体重計に乗るようにしている。ここ数日でひとまず目標にしていた体重がコンスタントに表示されるようになった。 7月のブログに…

チリコンカンとちりとてちんは語感がかわいい

スパゲッティーのトマトソースを思い浮かべるとき、僕は真っ先にミートソースと出くわす。最初の村人みたいに、彼はいつもそこにいる。それから思考の回廊をしばらく進むと、ナポリタンが出てくる。旧友のような顔をして。しかし僕はどちらもあまり好きでは…

おしゃれ番長襲名式

きのう通りがけに見かけた襟付きの白いシャツが、この季節の普段着にちょうどいいような気がした。 一日経ってもやっぱりいいなあと思ったから、買いに行くことにした。 買うつもりになって店で見てみると、目当てのシャツは綿素材の風合いがザックリとして…

昔アラブの偉いお坊さんが

コーヒーをよく飲む。人と比べたことはないけれど。 核戦争後の荒廃した世界であっても、人類が脳を残して機械化した世界であっても、麦茶とビールとコーヒーがあれば僕は愉快に生きていけると思う。 しかし珈琲と書くのは少し気恥ずかしさを覚える程度に、…

画数は調べていない

中古でノートパソコンを買った。プライムセールでいちばんお得なのは“何も買わないこと”などと格好をつけようと試みた瞬間もなくはなかったけれど、備えあればうんたらかんたらを人生訓にしているので、エントリーだけはしておいた。 そろそろセールも終盤と…

はじめてのベーカリーはパンのフレーバーがした

以前から気になっていたベーカリーの前を通った。ウォーキングの途中ではあったけれど、少しだけ覗いてみようと思った。 夕方の遅い時間だったから、ラインナップはそれほど期待していなかった。けれども空っぽの陳列棚が見当たらないほどにたくさんの種類の…

とりあえず酒は飲むと思う

三日くらいまえに、今週が三連休だということに気づいた。そうか海の日か、と言っているうちに金曜日がやってきた。 出不精のくせに休日の予定がないと損をした気になる。面倒くせえな俺、と思う。とはいえ、いまさら旅行の計画は難しいし、急に誘って遊びに…

あなたのままが美しい

帰省している間に地元のスーパーマーケットをうろうろしていた。同じフロアに精肉店や八百屋などの専門店も入っているタイプのスーパーマーケットだ。ふだん生活をしている大阪にはない店なので、見ているだけでも楽しい。 母がよく行くという精肉店を覗いた…

伝えたかったこと

《家族が皆出掛けてしまった。妹は仕事へ行った。両親は母の兄夫妻とフレンチを食べに行った。母の誕生日だからと今日も実家にいることにしたのだったが、何も言っていなかったから先約があった。ならばせめて僕が夕飯を作ることにしようと言ったはいいが、…

えらそうなOBはきっと嫌われる

きのうはすっかり疲れてしまった。厭な疲労感ではなかった。けれども頭が休むことを求めているように感じたし、翌日(きょう)も予定が詰まっていたし、夜更かしをせずにさっさと眠ることにした。 実家に帰っているから、かつての自室でいつもなら寝るのだけ…

煙草を吸う場所に、いつも困る

用があって帰省している。用がなくとも帰れる場所ではあるが、此度は用があって帰っている。数日ほど滞在する予定だ。持って行く本に迷って、四冊ほどを紙袋に詰めた。途中、茶屋町の古本屋に寄るとおもしろそうな本を立て続けに三冊見つけた。着替えより重…

最近は昼にサラダを食べている、歩いてもいる

減量をしようと思って三年が経った。なんとダイエットに一途な人間であろう。 一途といえば、中学生で始まった片思いが高校を卒業するまで続いたことがあった。その頃の僕には一片の勇気もなく、また、蝋燭に灯った火を持ち続ける厄介さも知らなかったから、…

ミーハーの魂、百まで保てよ

なんとなく今日はお詣りしてみようという気分になって、いつもの散歩コースで通り過ぎていた神社の境内に入ってみた。小さな神社だったけれど、日曜日のお昼ということもあってか、想像していた以上に人が多かった。 賽銭をいれようとしたら、小銭が105円し…