画数は調べていない
中古でノートパソコンを買った。プライムセールでいちばんお得なのは“何も買わないこと”などと格好をつけようと試みた瞬間もなくはなかったけれど、備えあればうんたらかんたらを人生訓にしているので、エントリーだけはしておいた。
そろそろセールも終盤というころになって、ツイッターでフォローしているアカウントが「コレ今やすいよ」と薦めていたものが、ちょうど最近気になっていたものだった。これが天啓というものか、いや運命か、と思ったか思ってないかでいえば思っていないんだけど、いい機会だなと思ったので買った。
すると彼は(なんとなくアマゾンは男性じゃないかと思っている)「あと○○円でポイントアップだぜ!」と言う。「え、え、じゃあ、ノートパソコン、とか?」つい僕は答えてしまう。
これもまた以前から欲しかったものだった。
大阪の日本橋で中古ショップを覗いたときは、おおむね二万円から三万円は見積もったほうが良さそうだなと思っていた。基本的な文書作成と、趣味で撮っている写真のデータ管理ができればじゅうぶんなのだけど、あんまり古くてもアレだし、今後もしかしたら増えるかもしれない用途を考えると、まあまあそれなりのものを買いたかった。備えあればうんたらかんたら、だ。
プライムセールで中古のノートパソコンを探すと、ちょうどいい案配のものが一万円になっていた。インターネットでパソコンを買ったことが、ましてや中古品を買ったことがなかったから不安は多少あったけれど、えいや! で買った。
こういうのは思い切りが肝心じゃないかという気がする。欲しい欲しいと言い続けたって手には入らない。身銭を切ってはじまるストーリー。買わなければ買えないのだ!!
さて。届くまでの間、僕は新しいノートパソコンに名前をつけようと考えていた。別になんでもかんでも名前をつける性癖があるわけじゃないが、この子には名前を与えてやるべきだという予感がしたのだ。(本当はなんとなくおもしろいかなと思っただけだ)
三連休の真ん中であった日曜日に、新しいノートパソコンは僕の家にやってきた。しかし新しいノートパソコンは郵便局員とともにそのまま郵便局へ帰っていった(散歩から帰ってシャワーを浴びている間に来たらしい。翌日の再配達で知るのだが、どうもこの配達人はインターホンではなく扉をノックするスタイルだったようだ。気づきまへんで)。
月曜日、届けられた段ボールを開封し、僕らは対面した。最初からデザインはどうでもよかったから気にしていなかったが、思ったよりダサかった。黒いボディに入った赤いラインの色味や太さが、なんとも古臭く、80年代SFドラマ的チープさを醸し出していた。レトロフューチャーなんてかっこいいものじゃない。悪いほうのエイティーズだ。これじゃスターバックスで使うのが躊躇われそうだと思ったけれど、考えてみればスターバックスでパソコンを使う予定は一切ないし(それこそダサい)、そもそも煙草を吸えないからほとんど行かない。
しかしその見た目は、僕にひとつのひらめきをもたらした。新たなパートナーとなる彼の、あるいは彼女の(性別はわからない)名前だ。
『ナイトライダー』
よろしく頼むぜ、相棒。